スーツの色より「茶髪、金髪」がよっぽど悪い印象
ただ、黒なら有利でほかの色だと不利になる、というのは必ずしも当たらないようだ。スーツカンパニーは、経営者や役員、会社員、公務員206人を対象に実施した「新卒者の面接時における身だしなみに関する調査」の結果を2013年12月17日に発表した。
新卒者の面接の際、見た目・身だしなみでマイナスになるポイントとして最も多く挙げられたのは「茶髪、金髪」で76.4%、これに「ピアスやネックレスなど派手なアクセサリー」が71.4%で続く。一方、「スーツの色」は、調査で挙げられた19項目中、下から4番目(「その他」を除く)だった。スーツの色よりも注意すべき点は、ほかに多く存在するというわけだ。
では、スーツの色が面接の際にプラスに働くことはあるのか。最も好印象を与える要素は「体型に合ったスーツの着こなし」で、以下「靴がピカピカ」「ズボンの折り目」の順だ。「紺、黒系」のスーツの色という回答は5番目にランクイン。「紺」も含まれていることから、必ず黒でなければいけないわけではないだろう。スーツの色は、相手にポジティブにとらえられる要素となり得るが、これも最上位ではない。ほかに重要なポイントがあることも事実のようだ。
近年は、あまりにも黒スーツが就活用として普及したためだろうか、質問投稿サイトには「リクルートスーツは喪服代わりになりますか」との問い合わせも出てくるほどだ。
アベノミクスによる景気回復で企業の採用意欲が増していけば、就活生もスーツに多少「冒険」できるようになるかもしれない。逆に学生の「保守化」が抜けずに、「余計なことをして面接官に悪印象を与えたらどうしよう」と多くの人が考えるようなら、面接会場は今後も「黒ずくめ」の状態が続くだろう。