「品性」なき経営者が会社をダメにする 「社員の1割が転職」の事態に

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時と場合と節度をわきまえているかいないか次第

「主要計数以外の経営開示はほとんどなく、社長はこれらをこっそりやっていたつもりのようですが、経営者の噂話は必ず漏れるものです。もちろん同族のオーナー経営ですから、一族の株主が文句を言わないのなら何をやろうと勝手といえば勝手です。そんなわけで文句を言う社員は皆無です。が、ビジョンを掲げて目指す姿に向かって旗振りをしつつも上がった収益は一族で山分け状態なのかと思ったら、これら社長の『品性』を感じさせない行動になんとも情けなくなったのです」

   会社を成長させていこうという明確なビジョンを社内で表明しつつも、その実隙間から漏れ見えてきたものは、なによりもまず自己と身内の生活が潤うことを優先していると映る社長の姿。オーナー企業ではやむなしと押し殺し眠らせていたDくんの疑問でしたが、先の作家氏の「品性」という言葉に、はからずも目が覚めたわけです。

「大きなポイントは、ここに来て業績が低迷気味であること。オーナーの企業私物化は業績がいい時は多少耳に入っても気にならないものですが、業績が落ちてくると万が一に備え自分たちの蓄えばかりせっせと積み増しているように思えて、さすがに嫌な感じです」

   今週になって新たに分かったのは、時を同じくして4月1日付でなんと全社員の約1割にあたる5人ものスタッフが転職することを決めていたこと。皆が皆同じ理由であるか否かは分かりませんが、職場に対する不平不満なくして転職行動は有り得ないと考えるなら、やはり社長の私物化には危険信号がともっていると言っていいでしょう。

   オーナー企業における会社の私物化はある程度はどこにでもあるものですが、その私物化が「品性」を感じさせるか否かは、当の経営者が私物化の時と場合と節度をわきまえているかいないか次第なのです。「品性」なき経営者は最終的に「ヒト・モノ・カネ」の会社の財産を私物化で失いダメにする、それだけは間違いのないところです。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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