「TOEIC250点」から猛勉強で「海外就職」 英語「1900時間勉強」がもたらした変化

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   以前の記事で紹介したTOEIC250点でフィリピンの英語学校に留学して、1900時間勉強して、700点まであげた若者が、このたび、欧州企業のシンガポール支社に就職することが決まりました。

   まさかの、TOEIC250点からの海外就職。これには私も驚きました。

   確かにTOEIC700点というのは、これといってめざましい数字ではありません。

   一流大学の入試のために勉強していたような人であれば、さしたる苦労もなく取れてしまいます。

   また、その英語力のレベルも、英語を売りにして仕事を得るには厳しいレベルです。

仕事は欧州企業のシンガポールオフィス

まさか(?)の「シンガポールで海外就職」
まさか(?)の「シンガポールで海外就職」

   彼の仕事は欧州企業のシンガポールオフィスで、日系企業向けの対応です(コールセンターではありません)。

   仕事で一番使うのは日本語ですから、高度な英語は必要ありません。しかし、社内公用語は英語ですので、英語力は必要です。このような仕事でしたら、彼の英語力でも充分です。もちろん、英語力不足で苦労することも起こるでしょうが、彼なら乗り越えられると思います。なぜなら、彼がこの1年で得た一番大きなものは、自分への信頼だからです。

   あれほど嫌いだった英語を、長時間机に座ることも出来なかった自分が、1900時間も勉強して、英語力の向上という成果を出したのです。

   「自分はまだ本気を出していないだけ」というのは、自分に対する言い訳以外のなにものでもありませんが、「自分が本気を出したら成果を出すことができた」という事実は、自分への信頼になります。

本気を出せば苦手なことも乗り越えられるという自信

   1年前の彼であったら、シンガポールのこの求人を知っても、自分とは全く関係のないものだと考えていたでしょう。英語で仕事なんて出来るわけがない。海外で働けるわけがない。やったことないから怖い。

   「海外で働くなんて、非国民だ」などと言って、自分を正当化しようとしていたかも知れません。

   しかし、フィリピンという未知の国でサバイブし、1900時間も自分を律することが出来たという自信。そして、本気を出せば苦手なことも乗り越えられるという自信。そんな自信があったからこそ、彼は大きな一歩を踏み出せたのです。

   私は、新卒の海外就職をあまり勧めていません。でも、新卒で海外で働き始めて成功している人を何人も知っています。不利な状況かも知れませんが、乗り越えられないハードルではないんです。

   彼がシンガポールでどんな活躍をしてくれるのか、ワクワクしながら見守りたいと思います。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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