「準エリート」層がふて腐れ 「グローバル研修」からもれ、「どうせ俺らは…」

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同期同士の「仁義なき戦い」勃発か!?

   ある大手メーカーの社員は、自社の「グローバル・リーダー研修」についてこう語る。

「人材データベースの中から各事業部の選りすぐりの人材を選抜し、海外の有名MBAのプログラムをそっくり買って同じ内容の研修を英語で行っているそうです」

   彼によると、10年以上前までは、見どころある社員を社費海外MBAに派遣していたが、そのリッパな修士号を取得した後、野心をむき出しに外資に転職してしまう社員が続出したため、最近は社内でエリート研修をするのが経営の意向らしい。

「もっとも、グローバル・リーダー研修に参加できるのは、せいぜい同期の3~4%といったところ。しかも、参加できるかどうかは30代前半で決まってしまう。
   そのため、最近、この3~4%からはじき出された『準エリート』がふて腐れてしまいましてね。そこで、会社は慌てて、国内MBAと提携した日本語による『準エリート研修』みたいなの始めましたが、それすら受けさせて貰えない人が大半だし、その受講者も『どうせ、俺らは二番手』とイマイチ研修に熱心じゃないし。どうしたもんかなぁって感じなんです」

   グローバル・リーダーの座を巡って、同期同士の「仁義なき戦い」が繰り広げられそうな気配なんだと言う。(以下次号、佐藤留美)

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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