「最近の若者は精神的に弱い」。時代を問わず、上司や先輩が若手の愚痴をこぼすときに口をついて出るセリフだ。いまでも、「ちょっと叱っただけで会社を辞めてしまった」という事例は、インターネット上をにぎわしている。
少しの刺激を与えると、それまでの自分を消し去って周りとの関係を絶ち、最後は自分自身を「初期化」する。何かと話題の「STAP細胞」に「すぐ会社を辞める若者」をなぞらえる風潮も出てきた。
周囲とのコミュニケーションを断ち切ろうとする
就職情報サイト「キャリコネ」2014年3月13日に掲載された記事に、「STAP社員」なる言葉が載っていた。仕事で壁にぶつかるとすぐに仕事を休み、周囲とのコミュニケーションを断ち切ろうとする。入社から1年もたたず退職した3、4人の若手には、こうした共通点が見られたという。まるで、弱いストレスを受けただけで記憶を消去して簡単に初期化するSTAP細胞のよう、というわけだ。
仕事を辞めないまでも、仕事でつまずけばすぐに家に帰って逃避したがる新人。記事に登場する先輩社員は「仕事は仕事でちゃんとやってもらわなければ、会社をクビになっても仕方がないことぐらい理解してほしい」とぼやく。だが、こんな話を口に出せば今度は「パワハラだ」となりかねない。何とも厄介だ。