「STAP細胞」理研にみる「問題起きると責任転嫁」 広報リリース承認体制の重要性とは

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リリースのチェック体制見直しを

   さて、これらの例を理化学研究所に当てはめると、どうなるだろう。野依理事長は「4チームの14人で研究が行われ、チーム間の連携に不備があった」と述べた。小保方晴子氏がリーダーを務める細胞リプログラミング研究ユニットの上部組織である発生・再生科学総合研究センターは、実験ノートを確認していなかった。つまり、理化学研究所が発表したのに、理研内部の理事らによる発表前チェックと承認がなされていなかった。ニュースリリースの承認ルールが機能しない企業、このような問題が起こると広報に責任転嫁する企業と本質は変わらない。

   メディアに発表するということは、広く社会に向けて発表するということである。メディアをミスリードし、社会にウソをつけば、当然の報いを受ける。今回のSTAP細胞のケースでは、まだ不明な点も多いものの、この騒動を契機に、各企業はニュースリリースのチェック体制を見直し、再構築してほしい。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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