わが社の次世代を担う"グローバル・タレント"を育成する――。
そんな目的から、「エリート研修」を施す企業が増えている。
もっとも、今に始まった話ではない。私が記憶する限り、2000年前後、企業はエリート人材の海外MBA留学枠を減らす代わりに、「企業内大学」といって、海外MBAの授業内容を自社仕様にカスタマイズしたような研修を施すようになった。
既に、そうした研修機関から、執行役員を続々輩出しつつある。
そもそも、研修って効果があるのでしょうか?
エリート研修とまではいかずとも、各企業では、年々、複雑化するビジネスに対応するために、ファシリテーション研修やコーチング研修など研修のラインナップを拡充している。
中には加速するビジネススピードに対応するために、2~3年おきに研修内容を見直すなんて企業もある程だ。
だが、そもそも論だが、こうした研修は効果があるのだろうか?
取材した限りでは、「研修内容と現実の仕事がかい離している」「研修内容を反映させる場がない」「研修後、モチベーションが高まるのはせいぜい2~3週間だけ。あとは元通りにもどるだけ」なんて声を散々聞かされる。
そこで私は、複数の企業の人事担当者や人事コンサルタントにこんな質問をぶつけてみた。
「そもそも、研修って効果があるのでしょうか?」
と。
すると意外な答えが返ってきた。