「英語のパワー」を買い被り過ぎていませんか? 世界50か国超の旅行で学んだコト

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   フィリピンには英語学校がたくさんあり、多くの生徒が英語を学んでいます。英語学校の生徒と話をしていると、時々英語の使い道を過剰評価している場合があるので、私が旅や仕事で感じた英語の使い道について話をしてみます。

   「英語は世界語」と言われていますが、必ずしも世界中の人が喋れるというわけではありません。

   日本国内で英語が通じるのは都心部でもごく一部で、田舎に行けばほとんどさっぱりなのと同様、世界の(英語を母国語としている国を除く)多くの国では、英語を話せる人の方が少数派だったりします。

英語ができる人を探してきてくれた

当然、カンボジアのローカルの市場でも英語は通じません。でも、まあ、なんとかなります。
当然、カンボジアのローカルの市場でも英語は通じません。でも、まあ、なんとかなります。

   アジアの中で英語が得意な国であるフィリピンの観光客が多いこのセブ島でも英語を話せないタクシー運転手は多いですし、地元の人は「ビサイヤ語」で話をしています。

   ブラジル、アルゼンチン、ボリビアなど、南米に行ってしまえば英語を話せる人なんてほぼいません。南米のスペイン語圏にいる人は「スペイン語は世界語」と思っているらしく、他の言語を覚えようなんてほとんど考えておらず、外国人にも平気でスペイン語で話しかけてきます。

   私は世界一周旅行中に4か月以上中南米にいたのですが、さすがに仕方がなくスペイン語をちょこっと勉強しました(中南米を長期旅行する人は、グアテマラでスペイン語学校に行って勉強してから行くことをおすすめします)。

   ただ、英語が役に立たないわけではありません。

   ブラジルの大きなバスターミナルでバスに乗るとき、どのバスに乗っていいかさっぱりわからなくなり、片言のスペイン語で周りの人に聞いてみました。ブラジルはポルトガル語が公用語なのですが、スペイン語とポルトガル語は似ているので、ブラジル人は大体スペイン語を理解してくれます。とはいえ、私のスペイン語はあまりにも拙いのでなかなか通じない…。とはいえ英語はRight、Leftレベルから通じない。どうしたもんかと困っていると、周りのおっさんが、英語ができる人を探してきてくれました。

   若くて綺麗なお姉さんは、貿易関係の仕事をしているらしく流ちょうな英語を話して、私の英語の話を周りのおっさんに通訳してくれ、おっさんがどのバスに乗るか指示してくれます。

   一緒に乗ったおっさんは、やはりお姉さんの通訳により私がどこで降りたいかを理解し、停留所に着いたとき、私に(ポルトガル語で)降りる場所を教えてくれました。

「英語が世界語」は、半分当たりで半分間違い

   南米だとこんな感じで、大きなバスターミナルでも平気で英語が通じません。でも、探せばどっかに英語を喋れる人はいます。これが日本語オンリーだったら、かなりの奇跡がないと通訳してくれる人はいないのですが、英語は、頑張れば必ずどっかでなんとかなります。

   私はこれで、世界50か国以上旅してきました。

   つまり、「英語が世界語」というのは半分当たりで半分間違っています。世界の誰もが英語が話せるわけじゃないけど、世界のどこでも英語を話す人は見つけることができる。

   だから、英語ができればどっかで何とかなるのです。

   私は、英語はものすごく費用対効果が高いから勉強しておいた方が得だということをことあるごとに言っています。「このように○○が出来れば世界中でどうにかなる」みたいなことが言えるスキルって英語くらいのものですから。

   別に、ネイティブ的な綺麗な発音でなくても、完璧な文法でなくてもいい。自分が言いたいことを拙くても伝え、相手が言っていることを一生懸命理解できるだけでも、世界はぐっと広がります。

   英語学校で「もっと上手くなったら英語圏に旅行したい」なんてことを言われると、「もうそれなりに上手いんだから、英語圏に限らず、どんどん行ってきな!」と言ってしまいます。

   100%の準備ができるまで行動をしないのは時間が勿体ないです。効率よく効果が高い準備をそこそこまでして、ぜひこの楽しすぎる世界を体感して欲しいなと思います。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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