社会保険労務士 野崎大輔の視点
診断書はあくまで参考に、就労可否は会社が判断
メンタル不全の社員の就労の可否については勤怠の実態で判断します。週に2日遅刻して、就業時間中も仕事ができないことがあるという状況は正常に勤務しているとは言い難く、休職させて治療に専念させた方が良いと思います。
医師の診断書で「就労可能」と記載されていても、それは参考にすればいいわけで、就労の可否は最終的には会社が判断すれば良いと思います。医師は病状は判断できますが、本人の仕事の実状を把握しているわけでもありません。放っておくと周囲のモチベーションも下がり、生産性の低下にもつながります。
今は病状が軽度だったとしても、このままだと悪化するおそれもあり、その時は会社の安全配慮義務を問われる可能性があります。今は会社と本人が良好な関係だとしても、病状が悪化して働けなくなってしまったり、精神的に不安定な状況に陥ったりした場合は「会社のせいでこうなったのだから責任を取れ」と言われるかもしれません。本人の希望で良かれと思ってやっていても状況が変わってしまうこともあるので、気をつける必要があるのです。