家事、育児、介護がカベに
だが、国内の女性起業家の数はまだまだ少ない。日本政策金融公庫が2014年1月9日に発表した「起業意識に関する調査」によると、2008年以降に自分が起こした事業を現在も継続している「起業家」は、男性73.5%、女性26.5%と圧倒的に男性が多い。一方で起業に関心がある「予備軍」の女性は39.8%に上る。「起業に関心があっても踏み切れない人の割合が男性よりも高い」という分析だ。また企業そのものに「無関心」という女性は6割を超える。
「起業しない理由」を見ると、トップは男女とも「自己資金不足」だが、女性は2番目に「家事・育児・介護等の時間がとれなくなりそう」が入る。これらを女性が担っているからこそ、男性よりも問題意識が高く事業の運営にも生かせる半面、物理的に仕事との両立が難しくなり、望みだった起業を果たせなくなる恐れもあるということだろう。
同じく日本政策金融公庫が2013年12月24日に発表した調査結果によると、別の側面が見えてくる。採算状況を調べた項目で、開業1年後の「黒字基調」の割合は、女性が男性を8.6ポイント下回るが、その差は年々縮まって4年で男女が逆転、5年目には女性が5.9ポイントの差をつけている。開業以降、右肩上がりで着実に業績を伸ばしていくタイプのようだ。