グローバル評論家 4つの類型
(1)グローバルオピニオンリーダー
自らのグローバルな経験を基に語る人たちの主流は、ピカピカの経歴を持っていて、自分で会社をつくって大きくしてきた超人のような人物でしょう。こうした本によって私も少なからず影響を受けましたし、時に、「いや、それ普通の人には真似できないよ!」と感じることもあっても、こうした人たちがグローバル世論を引っ張っていることは健全なことです。
(2)ネットワーク活用型グローバルライター
自らのスキルを基に、ネットワークをたどってドキュメンタリーや啓発書を書いている人たちです。グローバルに活躍する人がみな経験をシェアする時間があるわけではないし、並列・比較して論じることによって見えてくるノウハウもあるので、大変勉強になる評論も多数あります。一方、食いぶちを稼ぐために「人の人生を切り取ってそれを自分の商売にしている」本で、若干恣意的に「とにかく海外に行けば道が開ける」と論じているのが目立つのは気になります。
(3)ガラパゴスなグローバル批評家
もちろん日本に拠点を構えていても、クライアント、サプライヤー、バイヤーとしての海外企業との取引を通じてグローバルビジネスを肌で感じることはできます。しかし、このカテゴリーでは「英語は身ぶり手ぶりで通じればいい」というような議論も目立ちます。旅行ならそれでいいのですが、ビジネスでは、英語力はもちろん文化の違いを理解したうえで物事を進めるコミュニケーション能力が必要です。結局、こうした人たちが、自分が海外に出るリスクを一番恐れているのかも知れません。
(4)エセグローバル厨
これが一番問題ではないでしょうか。典型的なタイプとしては、「ちょっとビジネス本が売れたから、ブログが人気になったから、流行りの『グローバル』にフィールドを広げてみよう」という人たち。海外でのビジネスどころか、英語力すら危うい。盲目的に「英語学習礼賛」「MBA批判」を繰り広げているのもこの層。こうした「お気楽グローバル」に悪影響を受けてしまった人たちも多くいると思います。