超硬金属を髪の毛の細さに 金属スリット加工に人生かける
仲代金属(東京都足立区)の安中茂社長は、金属を切ることに人生をかけてきた。1976年の会社設立から40年近く、ひたすら金属を切ってきた。そのための専用機まで自社開発し、最も切りにくいとされるアモルファス合金を髪の毛の細さに切ることに成功した。「1000分の1ミリ」レベルの超精密を実現して、最大限のパワーを引き出す四角線コイルを開発した。これらは、電子精密機器の小型化に欠かせない技術となっている。
安中社長が現在、力を注いでいるのはスマートフォンや自動車、医療機器、航空機などに使われるリチウムイオン電池の発火事故防止。リチウムイオン電池の電極から外部に電気を取り出す端子には高純度のニッケルやアルミニウムが使われているが、「100分の1ミリ」レベルの切りムラや湾曲が過放電による発熱・発火事故を招いてしまう。そのため、約4年をかけて切りムラや湾曲を「1000分の1ミリ」レベルに抑えることに成功し、2013年12月にサンプル出荷を始めた。この1ケタの違いは大きく、二次電池メーカーからかなりの引き合いが寄せられている。
ガルフネットは日経産業新聞、仲代金属は日刊工業新聞がしばしば記事を掲載している。(管野吉信)