1席98万円も「完売御礼」 「セミナー」にはまる人びと

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   VIP席は98万円。一番安い席でも6万円以上――。

   一体、どんな大物のコンサートなのか? ミラノかウィーンあたりからどんな大がかりなオペラでもやってくるのか?

   普通はそう考えるだろう。ところが、否。ある外国人有名「コーチ」の自己啓発セミナーの値段なのだ。

   しかも、98万円の席は既に完売しているから驚く。

「中毒性がある」

お勉強大好き!
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   別の自己啓発書作家のセミナーの値段も破格だ。プラチナ席は35万円超。一番安い席でも15万円以上也(初回の人限定。2回目以降は安くなる模様)。

   日本のサラリーマンの平均年収は409万円(2013年、国税庁調査)だということを考えると、尋常ではない値付けだと感じずにはいられない。しかし、「一瞬で人生が変わる」とか「人生が思い通りになる」とまで言われると、矢も楯もたまらず虎の子の貯金を崩して会場に駆けつけてしまう人もいるのだろう。

「セミナーには中毒性がある」

   筆者が、あるセミナー主催者から筆者が直接聞いた台詞だ。

   この世には、前記のような自己啓発セミナー、蓄財・投資セミナー、婚活(妊活、終活)セミナー……etcあらゆるセミナーがあるが、そのほとんどは「リピーターによって支えられている」(前出セミナー主催者)そうだ。

佐藤 留美(さとう・るみ)
ライター。企画編集事務所「ブックシェルフ」(2005年設立)代表。1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、現職。著書に、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)、『なぜ、勉強しても出世できないのか?』(ソフトバンク新書)、『結婚難民』(小学館101新書)などがある。
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