『理不尽な人に克つ方法』(援川聡著、小学館新書)。2014年2月3日発売。740円(税別)。著者は元大阪府警の刑事で、退職後の2002年にクレーム処理のプロとして独立。現在は講演やセミナーを通して企業や団体でクレーマーの対処法を教えている。
「ごく普通の人」が、突如豹変して…
普段は「ごく普通の人」が、突如豹変して激高し、暴言を吐き散らしていいがかり、文句をつけてくる――。筆者はこれを「ホワイト・モンスター」と名付けた。「その筋の人」で理不尽な要求を突き付けてくる「ブラック・モンスター」との対比だ。府警時代の経験をもとに、ホワイト・モンスターに絡まれた場合に事態を収めるための言葉づかいや姿勢を、様々な事例を上げながら説明している。
ホワイト・モンスターは、店を訪れる客だけとは限らない。パワハラ上司も十分ホワイト・モンスターと言える。かつて上司から罵詈雑言を浴びせられ続けた経験を持つ著者は、無理難題を押し付ける上司とどう対峙すればよいかを語っている。
クレーマーの脅しに屈して土下座をするのは、適切な判断なのか。追い詰められた末に金銭を要求されたらどう答えるのがベストか。実際に起こり得る困ったシチュエーションでの切り抜け方が、本書にはちりばめられている。