高まる「語もてなし」熱 東京五輪にむけ「語学力高め、おもてなし」

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業種ごとに必要な英語を学ぶ「ジョビングリッシュ」も

外国人観光客を「心からおもてなし」するには…
外国人観光客を「心からおもてなし」するには…

   日本のサービスといえば、そのきめ細やかさで評価が高い。反面、具体的なサービス内容に関する説明を外国人に理解してもらうのは、「少し英語ができる」人でも案外難しそうだ。

「ドリンクバーはお付けしますか?」
「すそ上げは必要でしょうか?」

   日本人同士では当たり前になされているコミュニケーションでも、こと訪日外国人が相手だと、そのサービスの概念から説明が必要になる場合もある。しかも、業種業態によってサービスは違うから、必要となる説明は一様ではない。

「そこで、英会話スクールなどでも、日常英会話やビジネス英会話とは違った『語もてなし英会話』とも言うべき講座が開講されてきています。つまり、受講者の業務に合わせてカスタマイズされた講座ということですね」

   東京都内のある英会話教室では、業種ごとに必要な英語を学ぶ「ジョビングリッシュ」が好評だという。美容師であれば「シャンプー台にご案内します」「かゆいところはございませんか」といった具合に、必要な会話を業種ごとに学べる。

   さらに、サービス業を展開する会社でも、独自に研修プログラムを充実させる動きが出ている。

   たとえば、全国に展開するあるネイルサロンでは、接客英語の研修を無料で実施中だ。成田空港などの店舗では、飛び込みの外国人客が多いという。そこで「デザインの要望」「爪の形」などを説明できるようにしている。

   また、ニューヨークやロンドン、東京・六本木などに店を構えるヘアサロンでは、すべてのスタイリストがニューヨークに留学し、美容技術と語学研修を受けてから東京店舗に配属される。顧客の4割は外国人だというから、研修結果を生かす機会は多そうだ。

   先の根岸編集長は、

「せっかく日本に来てくださった外国人の方に、笑顔で自信をもって英語で接客したい。それで日本をもっと好きになってほしいという、まさに『おもてなし精神』のあふれる人が増えていると思います」

と分析している。2020年の東京オリンピックまで、あと6年。訪日外国人と接する機会が増えるのは、サービス業関係者だけではない。一般の人も、道を聞かれたり、ときには一緒に観光に回ったりすることもあるだろう。ビジネスシーンを超えて、「語もてなし」の動きは注目を集めそうだ。

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