「路上演奏から武道館へ」の厳しい現実 それでも「次」へ走り続けるわけ

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「社会貢献型エンターテイメント」の提供を目指す

   もう1社は、音楽プロダクションのBirthday Eve(東京都港区)。ビーインググループでTUBEら数多くのアーティストを育て、独立後はSPEEDや一青窈の育成にかかわった水谷隆氏が2010年に設立した。お客様の喜びを集め、人を幸せにする「社会貢献型エンターテイメント」の提供を目指し、所属アーティストが路上パフォーマンスを展開している。路上から日本武道館単独公演を目指す「武道館サポーターズ」企画を展開しており、宮崎奈穂子さんがCD計8万枚を手売りし、1万5000人のサポーターを集めて2012年11月2日に武道館単独公演を成功させた。同社は企業の社歌、商品プロモーション楽曲制作、イベント出演なども積極的に行っており、大手音楽事務所ではなかなかできない「人と人のふれあい・繋がり」を大切にしている。

   Birthday Eveの取り組みは、2012年3月に毎日新聞大阪版、同年10月にスポーツニッポンと朝日新聞夕刊、同年11月には東京新聞がそれぞれ掲載した。ただ、残念な話題もある。所属アーティストであるさとなか唯さんの2014年3月15日武道館公演、Kado junさんの同3月16日武道館公演がメインスポンサーの撤退を主な理由として中止に追い込まれたことだ。さとなかさん、Kado junさんともに、ブログで3月末をもってBirthday Eveを離れることを明らかにしている。宮崎奈穂子さんに続く武道館単独公演はしばらくお預けとなってしまったが、水谷社長は次の「路上から武道館へ」を目指して走り続ける。(管野吉信)

管野 吉信(かんの・よしのぶ)
1959年生まれ。日刊工業新聞社に記者、編集局デスク・部長として25年間勤務。経済産業省の中小企業政策審議会臨時委員などを務める。東証マザーズ上場のジャパン・デジタル・コンテンツ信託(JDC信託)の広報室長を経て、2012年に「中堅・中小企業の隠れたニュースを世に出す」を理念に、株式会社広報ブレーンを設立。
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