海外就職と「アリとキリギリス」の法則 他人と違うことをするのを恐れないで

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   先月、フィリピン・セブではシヌログ祭りというお祭りをやっていました。

   シヌログ祭りの終わりと共に、9月から始まったクリスマスシーズンが終わりを迎えます。

   フィリピン人のクリスマス前からシヌログ祭りにかけての消費意欲は異常なものがあり、ショッピングモールには、親の敵のごとく商品に突撃するフィリピン人がたくさんいます。

宵越しの金は持たない

フィリピン庶民のコンビニ、サリサリストア。 ここでもだいたい、ツケが利きます。
フィリピン庶民のコンビニ、サリサリストア。 ここでもだいたい、ツケが利きます。

   東南アジアの人にかなり広く言えることなのですが、彼らは宵越しの金を持ちません。銀行口座を持ってない人も多く、ある金は全部使う。余ったら、友達におごる。金はある人が払うという、「冬がない国のキリギリス」的な行動に、典型的アリさん気質の我々日本人は戸惑ってしまうことが多いです。

   こんな人達なので、フィリピンでは給料が2週間に1度支払われることが普通で「給料日がある週末」と「給料日がない週末」では、ショッピングモールの売り上げが全然違うとか。

   もちろん、フィリピン人全員がそうであるわけではありません。

   そんな貯金をしないで、病気になったときとかどうするの?って思う人は多いでしょう。答えは「借りる」です。そして、賢いフィリピン人は「貸す」側になるのです。

   商売をしてたり、土地を持ってたりしてお金を持っているフィリピン人のうち、お金を貯めるアリさんタイプの人もいます。彼らは、その貯めたお金を、知り合いに貸して、利息をつけて回収して、さらにその貯金を殖やします。

   この商売、もちろん外国人がやることも可能なのですが、現地のローカルなネットワークが重要だし、裁判とかになった時に外国人は不利だしで、フィリピン人の方が圧倒的に有利です。

   しっかりとした回収のノウハウさえあれば、必ず儲かる商売ですので、しっかりしたフィリピンのアリさんは、日に日にお金持ちになっていくわけです。

自分で分析して、自分の頭で考えることが大切

   自分がフィリピン人だったとして、周りがキリギリスだから自分も!と言っていると、その先に発展はありません。周りがキリギリスであることを冷静に観察して、自分がそのなかでどんな行動をすればいいのかを考えて、実行すると、大きな利益を得ることができます。

   その際に大切なことは「人と違う事をすることを恐れない」ということです。

   キリギリスの群れのなかでも、自分はしっかりアリさんになる勇気。それが、自分の将来に繋がっていくのです。

   日本は同調圧力が強い国だと言われていますが、どこの国でも多かれ少なかれ、その国気質みたいなものがあり、それに流されてる事が多いです。しかし、そこで踏みとどまって、自分独自のポジションを取ることで、非常に有利な立場をとることができます。

   例えば、海外就職ってのも、「日本大好き。日本から出たくない」と言う人が多いからこそ、競争率の低い、有利な選択肢になり得るのです。

   周りの言うことを聞いて、それに流されるのではなく、自分で分析して、自分は何をすべきか、自分の頭で考えることが大切です!(森山たつを)

あなたは、アリ派?キリギリス派?
アリ派
キリギリス派
両派の間ぐらい
分からない
その他
森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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