都知事選「60代以上」の動向に注目 「日本の改革のハードル」示す試金石に

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「20年近いモラトリアム期間を持て余す人」が増えている

   でも、民主主義に定年はない。平均寿命が(低い方の)男性でもほぼ80歳に達した今、「上がり目は無いけれども失いたくはない」という人達が20年近いモラトリアム期間を持て余し、しかもそういった層が年々増加し続けている現状は、日本を巨大な一つの組織と考えた場合、筆者にはとても恐ろしい状況にあるように見える。

   フォローしておくが、告示直後のマスコミ世論調査記事などをみても、筆者は、細川候補が当選することはさすがにないだろうと考える。シングルイシューで与党系候補を突き崩せるほど都知事選は甘くはない。ただ、細川陣営がどれくらい票を伸ばすか、中でも60代以上からどれくらい票を取るかに筆者は個人的に注目している。

   特に世代によって濃淡が無い、あるいは60代以上からそっぽを向かれているようなら、筆者の心配は杞憂だろう。でも、仮に60代以上からそれなりの票を得ているようなら、時が経つにつれ、日本の改革のハードルはますます高くなるはずだ。(城繁幸)

人事コンサルティング「Joe's Labo」代表。1973年生まれ。東京大学法学部卒業後、富士通入社。2004年独立。人事制度、採用等の各種雇用問題において、「若者の視点」を取り入れたユニークな意見を各種経済誌やメディアで発信し続けている。06年に出版した『若者はなぜ3年で辞めるのか?』は2、30代ビジネスパーソンの強い支持を受け、40万部を超えるベストセラーに。08年発売の続編『3年で辞めた若者はどこへ行ったのか-アウトサイダーの時代』も15万部を越えるヒット。ブログ:Joe's Labo
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