今月(2014年1月)、ラスベガスで「CES(国際家電ショー)」が開かれ、「ウェアラブル端末」の話題が再燃している。
しかし、業界人でもない一般市民からすれば、斬新だなあとは思う反面、生活にどんなメリットをもたらしてくれるのか、まだあまり実感が湧かない。「スマホ需要が一巡してしまったメーカー主導の一過性のブームでは?」という冷めた見方もある。
エリアを俯瞰した地図などがレンズに表示
「ウェアラブル端末」といえば、グーグルの「Google Glass」を連想する人は多いだろう。レンズに、目的地までの行き方が表示されたり、近くのショップのセール情報が配信されたりといろいろな想像はできるが、もしそんな使い方に留まるのなら、果たして必要だろうか。スマホで十分な気もする。
そんな中、「Google Glass」のひとつの使い方を示す動画が公開され、ちょっとした注目を集めている。ウクライナや北米、ヨーロッパに拠点を置くソフトウェア開発会社の「eleks」が、Google Glassを使ったサバイバルゲームを撮影したものだ。自転車での移動中、手での操作が難しいときに音声で指示すると、走行速度や距離、時間がレンズに表示される。
また、ゲームエリアを俯瞰した地図、自分や敵、味方がいる位置、他のプレイヤーまでの距離も把握できる。さらにレンズを通して自分が見ている景色を、他の参加者のインターネット端末に向けて生中継することもできるという。サバゲーの臨場感をGoogle Glassが増幅させている。
動画が掲載されたウェブサイトには、この体験を実現するのに必要な、専用アプリを制作するための技術も紹介されている。エンジニアでないとなかなか理解できないような高度なノウハウだ。Google Glassがもし普及すれば、それに対応するアプリの需要も生まれるだろう。なるほど、「そのときはeleks社の出番」という先を見据えたプロモーション策というわけだ。(岡徳之)