むしろ、彼らにやって欲しいことは、「失敗」です
クメール語は独自の文字を持っており、コンピュータへの文字入力が難しいのです。そして、PCを持っている人もまだそれほど多くないので、ちゃんと入力できる人もあまり多くない。カフェの女の子が慣れない手つきだったのはそういう理由です。
印刷屋で辺りを見回してみると、いろんなドキュメントを印刷屋が入力しています。おばちゃんが、手書きの書類を持ってきて、印刷屋の店員に代理入力してもらって印刷をしているようです。
昭和の日本の会社では、おじさんが手書きで書いた書類を一般職のお姉さんに清書してもらうなんてことがあったようですが、21世紀のカンボジアの街角でも同じようなことが行われているのです。
今回、たまたま印刷屋を通したので、この間違いを発見できたのですが、これがセルフ印刷のチラシだったり、Webページのバナーだったりしたら発見できなかった可能性があります。「サラムイカレー」のまま、チラシやWebページが流通してしまうのはちと困ります。このような失敗をしないよう、今後は「クメール語は必ず、複数のカンボジア人に読んでもらう」というルールをつくりました。同じ過ちは二度としないように仕組みをつくる。仕事をするに当たって非常に大事なことです。
このような「失敗」をすることは、このサムライカレープロジェクト的には全く問題ありません。むしろ、彼らにやって欲しいことは、「失敗」です。
多くの人が、やりたいことをできない理由は「失敗が怖い」からです。
だれだって、失敗は怖いし、失敗した後のことを考えなくてはなりません。
でも、研修プログラムであるサムライカレープロジェクトでは、失敗しても最終的に責任を取るのは我々主催者です。そして、主催者は、リカバリするための行動をとったのであれば、失敗に関して何かを追及することはありません。
だから、どんどん失敗して欲しいんです。
そして、失敗したあと、どうやってリカバリをするか学んで欲しいんです。