愛想のない男性上司も、孫の話にはデレデレ顔
「人は自分が好きな事柄、得意な分野については放っておいても長々としゃべります。そこで、相手の持ち物などを褒めてみるとよいかもしれません」
と長尾氏は提案する。
例えば相手が女性で、おしゃれに気を使っている様子ならこう切り出してはどうだろうか。「お持ちのカバン、素敵な色ですね」「アクセサリー、お好きなんですか」「コートが雰囲気に合っていますね」。見え透いたお世辞や、あまり突っ込んだ質問は禁物だが、こうして褒められればイヤな気はしないだろう。持ち物にかかわる思い出やエピソードを、あれこれ披露してくれるかもしれない。「いつもはブスっとしている男性上司が、孫の話になった途端デレデレ顔で話し始めた、とも耳にします。相手に『自慢の子、孫』がいると知っていたら、話題にするものいいでしょう」。
一方、「自分語り」は確かに、相手に対してオープンな印象を与える意味で有効だ。自分の出身地や通っていた学校、職歴などを話すのは効果的だと長尾氏は言う。共通の出身地や出身校ならそれだけで話が広がるし、職歴も「この人はどんな仕事をしてきたんだろう、と興味がもてると思います」。結婚か独身か、子どもがいるかいないかは、自分が話すのは差支えないが、こうしたプライベートにかかわる内容を相手に質問するのは避けた方がよい。
テクニックをつかんだら、あとは「相手に話しかける勇気」だけだ。ここで最後のワンポイントアドバイス。「モジモジしている人は声が小さくて何を言っているか分かりにくいことが多い。ハッキリと相手が聞き取れる口調を心掛けてください」(長尾氏)。