臨床心理士 尾崎健一の視点
販売促進の意味合いが強く、必要経費と考えてもよいのでは
今回の着用決定までの経緯を考えると、販売促進の意味合いが強いと考えられます。
また、自由意志に任せると言っても、先輩からの強い要望と捉える社員もいるでしょう。であれば、着付けなどの費用を必要経費と考えてもよいのではないでしょうか。着物は普段から余程着慣れている人でなければ、着付けなどの費用面のみならず、歩行、仕事中の作業、食事やトイレなどの日常的な行動へ負担が大きいものです。その労をねぎらう意味でも、いくらか負担してもよいのではないかと思われます。
一方で、以前着用して来た人が、「自分のときには手当はなかったのに…」という不公平感をもつことも理解できます。あまり反対が強い場合は、実費負担といった直接的な支払いを避け、新年会などで飲みに行った時に、当の3人の参加費を経費(または支店長ポケットマネー)で負担するなどの一時的措置を考えてもいいのかもしれません。
いずれにしても、着物着用の効果が高く、来年も継続するというなら、事前に負担金などは取り決めてから指示する必要があります。