晴れ着姿で仕事始め――かつては「当たり前」だった、そんな光景を目にする機会はめっきり少なくなった。「仕事始めのニュースでしか見たことがない」という若い人も少なくない。
京都市役所の仕事始めでは、「有志」らが和服姿で勤務しているが、一般的にはこの「有志」というのが難しい問題を招くこともある。実際上は「半強制的」ではないか、というわけだ。だとすると、着付け費用の負担問題が浮上してくるケースも……
「着付けできる美容院が近所にないかも…」「イヤです…」
メーカー系販売店の人事担当者です。今週、ある支店長が泣きついてきました。
なんでも、昨年末に支店内の営業会議でベテラン女性社員が
「来年の仕事始めは、若手女性は晴れ着でお客様をお迎えしましょうよ!90年代までは毎年やってたわよね」と提案し、会議では何となくそれ「イイネ」となったそうです。
しかし、若手女性に話すと
「振り袖しか持ってないけど、結婚しちゃったし…」
「着付けできる美容院が近所にないかも…」
「着物持ってないです…」
「イヤです…」
と残念な反応が…。
それでも、ベテラン女性社員らが
「私達の若い頃は毎年着てたわよ」
「持ってる人は折角だから着る機会があったほうがいいよね!」
「職場が華やかになっていいんじゃない」
と積極的に勧めて、最終的には着て来ることができる人の自由意志に任せることになったとのこと。
年が明けて、若手女子社員のうち3人が着物を着てきて、ショールームは晴れやかな仕事始めを迎えられて評判も上々だったようです。
ただ、着付け代や移動のタクシー代など結構出費がかさんだとのことで、その3人が会社で負担してほしいと支店長に訴えてきたのです。
支店長は、そのくらいなら営業経費から出してもいいと思ったそうですが、支店内では思いのほか反対意見も多く、特に言い出しっぺのベテラン女性社員は、
「私達の頃はみんな着て来ても手当なんか出なかったのに、何で今の人には出すんですか!?不公平です」と猛反対…。男性陣にも結構反対派がおり、「着物手当」賛成派と反対派で真っ二つに意見が割れているそうです。
支店長は「もう、どうしていいか分からん。人事の意見を聞いてみようということになったんだ」と人事に判断を委ねてきたのです。
確かに、正月に着物でおもてなしすれば営業的にも良い影響がありそうですが、手当まで出すことについて、どう考えるのが妥当でしょうか?