最近常々考えていることは、日本型のグローバル企業は可能なのか?ということです。
なにを言っているのか、日本の企業だって、トヨタやコマツといったグローバルな企業があるじゃないか?といわれます。
ここでいうグローバルな企業というのは、世界中で物を販売している企業という意味ではなく、人のことをいっています。
つまり、本社をはじめとする組織がグローバル化できるのか?ということです。グローバル組織と言い換えてもよいです。
世界中から優秀な人材を
最近大きな人事ニュースに、武田薬品工業が、外国人のクリストフ・ウェバー氏をライバルのグラクソ・スミスクラインから引き抜いてきて、CEOに据えるというのがありました。これは異色です。
日産のゴーン氏のときは、資本注入した仏ルノーからの命で、きたわけなので、いわゆる経営たてなおし、ソニーのストリンガー会長も、もともとはソニーアメリカのトップでした。武田の場合は、資本関係もないライバルの会社から引き抜いてきています。
武田は、ほかにも、CFOや研究開発担当の役員も、海外のライバルから引き抜いてきました。
何がいいたいかというと、武田のような事ができれば、世界中の人材を活用できるということです。世界中の最も優秀な人を雇ってこれるわけです。たとえば、ウェーバー氏は、製薬事業において、3大陸7か国のトップを経験し、新興国市場の開拓にも長けています。このような人材を、武田の社内から発掘しようとしても難しく、また日本のライバル会社にもこのような人材はいません。
要するに、人材のプールの大きさが、日本人だけを対象とした場合と、世界中を対象にした場合だと、ぜんぜん違うということです。