だから社員から嫌われる 3つのキーワードで愛される会社に

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主役はあくまで社員

   「やりがい」はもちろん働き甲斐のこと。会社や仕事の中において、自己の存在感をいかに感じることができるか。会社が社員にいかにして存在感を与えているかでもあります。具体的には「自分の存在価値を実感したい」「社外の人にも胸を張れる仕事がしたい」などの声が聞かれるのです。これは日々自分を鼓舞する材料と言えます。

   「思いやり」は、"使い捨て"ではない雇用関係。"使い捨て"を感じさせられた瞬間に、どんなに素晴らしい待遇も冷めた目で見られてしまうことでしょう。「会社に利用されていると感じされる会社は嫌」「いくら給与が高くとも、疲弊させられる職場はダメ」などの意見が代表例です。組織は人間の集まりですから、「より心地良く」は欠かせない条件なのです。

   この3つのポイント言い換えると、「ビジョン」は会社に求める"あるべき"、「やりがい」は自分に求める"あるべき"、「思いやり」は会社と自分の相互関係に求める"あるべき"、とも言えます。先の社長方の話はそれぞれ、D社長が「ビジョン」、E社長が「やりがい」、C社長が「思いやり」について言及していたとも言えそうですが、具体性の点で社員が求めているものに及ばないことがお分かりいただけると思います。

   私の話を受け、「社員から愛される会社づくりは、より大きな力を発揮するための永遠の課題と思っていたけど、そこに向けてどうするべきか社員の方がより明確にイメージできているわけか。3つのキーワードをいかに実現するか、真剣に社員と議論する必要がありそうですね」とC社長。

   社長がぼんやりとイメージする会社運営に関する課題解決策について、社員の方が意外なほど具体的な解決策を持っていることも間々あるものです。愛される会社づくりに向けた社員が思う3つのポイントも大切なのですが、会社運営においてややもすると忘れがちな大切なこと、指揮を執るのは社長でも、主役はあくまで社員であるということを、改めて実感していただきたいというお話でもありました。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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