社会保険労務士 野崎大輔の視点
筆記試験から面接まで受けてもらった上で断る
このような縁故採用で、良い話を聞くことはあまりありません。採用は現場主導で、経営者の意向は反映できないというスタンスを確立しましょう。多くの場合、どこにも就職できず、自社でも雇う気にならないので親が知り合いに頼んでなんとかする、というケースが多いようです。社長同士の付き合いという面が大きいと思いますが、縁故採用をすることによって職場や社員に悪影響しているのであれば、経営的側面からも辞めた方が良いと思います。
しかし、無下に「縁故採用はやっていません」と断ることは難しいので、通常の採用試験のように筆記試験から面接まで受けてもらえば良いのではないでしょうか。「採用試験の結果、自社での採用は難しい」と、いろいろ手は尽くしたと誠意を見せて断れば良いと思います。
御社は社員への教育をしっかりやられているようなので、面接の際「入社後にどのようなことをやるか」といったことまで伝え、暗に「縁故で入社しても甘くはない」ということを伝えることも必要だと思います。どこかで「適当に働けば良い」と思っている人は、自分から辞退することもありえます。