日本でも「女性部長」が増えることが期待されている。安倍内閣が新たな成長戦略として策定した「日本産業再興プラン」の雇用制度改革・人事力の強化のひとつとして、女性の活躍推進を掲げ、女性の役員や管理職への登用拡大に向けた働きかけを行うことが明記されたことが背景にある。
リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫氏は、週刊朝日(2014年1月3・10日号)の取材に、「14年には、女性のリーダー候補を育てようという動きが、さらに本格的に盛り上がることを期待する」と話している。
女性管理職は10%程度
欧米でもアジアでも、日本ほど企業管理職に女性が少ない国はない。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査(2012年)」によると、従業員100人以上の企業で、「部長」「課長」「係長」「その他」をあわせた「役職」を管理職とした場合、その人数は336万人。このうち男性は300万人、管理職比率は全体の89.3%となっていることに対して、女性は36万人、わずか10.6%だった。
大久保氏によると、東証1部の上場企業では、入社してから部長になるまでに20~25年で、その人は「この年齢でこの役職につけば、次は部長になる」という、いわゆる「出世コース」を歩んでいるという。
ところが、女性の場合は出産や育児で「出世コース」から外れると、元に戻ることが難しい。「いま必要なのは、女性がリーダーになるために、ちゃんとしたキャリアを積めるようにすることです。入社時からリーダー候補として複数の部署を経験させる。育児休暇をとっても、すぐにフルタイムで復帰できるようにする。そんな支援が必要とされています」と、大久保氏は指摘している。
女性がリーダーとしての素養を身につけることができれば、日本でも女性の管理職が増えていく。