世界的投資家が娘につけた名前の理由
このように、むしろキラキラネームのほうが、海外にでれば、自信をもって名乗ることのできる名前になるかもしれません。
こんなことをいうと、激しいツッコミを食らうことはわかっていますが、あえて、キラキラネームも有りだ、ということを述べてみた次第です。
もちろん、あえてキラキラネームをつけなくても、日本語と外国で同じような音をもつような名前は、いいとおもいます。たとえば、
理沙 - Lisa
杏 - Anne
譲 - Joe
賢 - Ken
豪 - Go
などなど。
ほかにもMiki(美姫)や、Maya(摩耶)、Jin(仁) といった、覚えてもらいやすい発音はたくさんあります。
そして、この話を裏付けるというか、さらに衝撃的なエピソードがありました。
あの有名な投資家ジム・ロジャース氏の話です。彼は「娘に贈る13の言葉」という本のなかで、娘に語りかけるように、人生と投資で成功する哲学を語っているのですが、そのなかに娘の名前も書かれているのです。
それがなんと、ソフィアでも、エマでも、オリビアでも、シャーロットでもなくて、なんと、
「ルールー」
なのです。
これは欧米圏のひとからみたら、もう、真後ろから投げられたボールのような、とんでもないキラキラネームです。だって、フルネームでいったら、ルールー・ロジャースです。まったくありえません。
しかし、これには、ロジャース氏なりの哲学があってのことです。察しのとおり、ルールーは中国語です(注2)。
21世紀は中国の時代であると声高らかに宣言し、自身も中華圏であるシンガポールに移住してしまったロジャース氏としては、娘に中国語を教え、中国風の名前をつけることは、21世紀を生きる娘のことを考えれば当然のことなのでしょう。そして、ルールーなら中国語としても英語圏としても発音でき、だれにでも覚えやすい。もちろん日本人だってすぐ覚えられます。
よく考えられた名前なのです。
そして、日本のキラキラネームにおいても、中国風の名前がでてきたら、いよいよ本物でしょう。(大石哲之)
(注1)アメリカ人の赤ちゃん・子供の名前ランキング TOP100(2012年)アメリカ合衆国社会保障庁(SSA)
ただし、欧米圏では「ノア」は男性の名前です。
(注2)なお、ルール―の漢字は「楽楽」と書くのではと指摘されています。なおロジャース氏は漢字はわからないと本に書かれています