なぜブラック企業なのに辞めないのか?(上) だってやりがいを感じているから

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   謹んで新年のお慶びを申し上げる。

   当社「VIEBEATA」(ヴィベアータ)はヤフーやグーグルで社名検索すると、関連キーワードに必ず「ブラック」とか「2ch」が表示される超絶「ブラック企業」だ。2013年の年末休暇は12月26日夕方から29日までで終了し、30日から通常営業である。どうだ!ブラックだろう!

   昨年は大いに注目された「ブラック企業」だが、まだまだブラック企業問題は誤解が多くまかり通っている。労働時間が長ければ即ブラックなのか?離職率が高ければ、低賃金なら、イコールブラックなのか?そうではあるまい。

実態は「残業代未払い企業」であり、「不当解雇企業」…

夜中2時まで仕事、それがどうした…!?
夜中2時まで仕事、それがどうした…!?

   何度も言うが、ブラック企業という言葉の存在自体がブラック企業問題の解決を遠ざけている。存在しているのは「ブラック企業」ではなく、「残業代未払い企業」であり、「不当解雇企業」であり、「採用広告虚偽記載企業」なのだ。このように個別具体的な問題を採り上げ、解決のために論じていかねばならない。

   同時に、私自身もまた誤解されているようだ。私は単にブラックとされる企業を叩いて喜んでいるのではなく、「就職における不幸なミスマッチ」を撲滅するために、「ブラック企業」という切り口から「働くとは、仕事とは」について語っているのだ。

   世間から「ブラック」と呼ばれる会社なのに、ハッピーに働いている人がいる。

   一方で、世間から「大手」「優良」「人気」「難関」「一流」と呼ばれる会社にいるのに、辛そうにしている人がいる。私自身、これまで延べ2万人以上の方々と面談する中で、両方のパターンを目の当たりにしてきた。

   同じ会社で同じ仕事をしていても、ある人は「最高に楽しい!」といい、ある人は「こんなブラック企業、もう辞めてやる!」と言う。それを「いい」とか「よくない」と感じる、自分自身の「価値観」次第なのである。

   ぜひ、本連載をお読み頂いた多くの人に、「自分にとって『いい会社』とは何か?」「自分にとっての『いい仕事』とは何か?」と考えて頂きたい。私は「ブラック企業」というキーワードから、そのキッカケを提供したいと考えているのだ。

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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