サントリーが仕掛ける新しい業態「ウイスキーボトルバー」では、どんなサービスが提供されているのか。東京・銀座の「DEN HIBIYA」に様子を見に行ってみた。
JR有楽町のガードに沿って新橋方向に歩き、東京宝塚劇場の方向に曲がって少しのビルの地下にある。帝国ホテルタワーの真向かい、と言ったら分かりやすいだろうか。
10人ほどが座れる大きなカウンターが2つあるこの店は、午後7時の開店から午前1時の閉店まで、女性スタッフが接客してくれる。セールスポイントは、お酒を作る技術とサービスの高さ、それと居心地のよい空間だ。
「上司が部下を連れてくる」ケースが多い
早速、取材がてらハイボールを1杯作ってもらった。ここのメインボトルはサントリーの「響12年」。2013年のISC(インターナショナル・スピリッツ・チャレンジ)で金賞を受賞するなど国際的な評価もある、コストパフォーマンスの高いウイスキーだ。
梅酒を貯蔵した樽などを使って熟成させており、口をつけると甘い香りが鼻を抜ける。プレミアムソーダとかちわり氷で作ったハイボールは、バランスがとてもよく、普段飲んでいるものとは一味違う。
店員のAさんは20代後半。オープンスタッフとして1年半前ほど「DEN HIBIYA」に勤めている。ウイスキーの作り方から立ち居振る舞い、敬語など接客のマナーなどの研修を受けたということもあって、手際よくハイボールを作る姿が様になっている。
ウイスキーは、水割りやソーダ割り、ロック、ストレートのほか、水とウイスキーを半分ずつ混ぜる「トワイスアップ」など幅広い飲み方で提供してくれる。店員スタッフの多くは、店で働くまでウイスキーを口にする機会が少なかったという。
「でも、きちんとした作り方で飲んでみると、ウイスキーの魅力が本当によく分かります。日本のウイスキーの評価は世界的にも高くなっていますが、その理由も分かるようになってきました」
訪れるお客は、取引先の接待の2軒目というケースのほか、上司と部下数人の組み合わせも多い。仕事の打ち上げで食事をした後に、上司が「ちょっと俺のボトルが入っている店に寄って行かないか?」という雰囲気のグループが多いという。
「そんなときは、上司に羨望の眼差しが集まります。『こんなお店も知ってるんですね。自分もいつかボトルを入れられるようになりたいな』とつぶやく部下の方もいますね」