「グローバル強迫観念」に陥っている?
海外インターンシップに参加した学生の中には、「逃げ場がない状態に自らを追い込むことで、国内では得られない体験ができた、一皮むける経験ができた」と言う学生もいたという。
こうした経験は人生において糧になるとは言え、岡崎氏は学生があまりにも「グローバル人材」という言葉を意識しすぎて、「グローバル強迫観念」に陥ってしまっているケースもあるのでは、と少し心配している。
「これから求められるであろう『グローバル人材』に自分もならなければ、といった学生の切迫感に『危ういな』と思うこともあるんです。『学生のときから世界を目指していないと、将来食べていけなくなる』といった強迫感とでも言いましょうか。気持ちはわからなくもないのですが、自己成長の方向性は多様であっていいはずなので、『グローバル』という軸に執着しすぎなくとも良いのでは、と感じています」
「グローバル人材にならなくては」と焦るよりも、自然体で「やりたいこと」にたくさんトライしてみるほうが楽しい。インターンシップや海外留学、ワーキングホリデーなど、いまは海外を経験する「橋渡し」となる制度も多くある。早くから多様な体験をすることで、結果として社会に出た時に役に立つこともあるだろう。
いきなり「海外で就職したい」と突き進むよりも、興味を持って多くのことにトライする方が、かえって「グローバル人材」への近道になるのかもしれない。