「東京で買えるものの8割くらいそろう」東南アジア都市 それでも「海外生活はツライよ」と感じる理由

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   東南アジアで、日本人が日本の大都市的な暮らしをしやすい都市の双璧がシンガポールとバンコクです。

   この二都市には、あちこちにセブンイレブンなどのコンビニがあり、日本の有名外食チェーン店がり、100円ショップ的なものや家電量販店的なものまでそろっており、東京で買えるものの8割くらいがそろうのではないかと思うほどです。

割高感は否めません

バンコクの日系スーパーにて。UCCの缶コーヒーは約150円、謎のUFC缶コーヒーは約35円。輸入品が高く国産品は安いのが途上国スタイル
バンコクの日系スーパーにて。UCCの缶コーヒーは約150円、謎のUFC缶コーヒーは約35円。輸入品が高く国産品は安いのが途上国スタイル

   ただし、そこは東京ではないので問題点があります。値段が高いのです。

   日本製品そのもの(例えばたけのこの里とかカレーマルシェとか)の場合は、わざわざ日本から輸入して現地のスーパーに置くため、輸送コストや関税が価格に上乗せされるため、日本の価格の1.5~3倍くらいの値段になります。100円ショップも、タイでは60~100バーツショップ(180~300円ショップ)となっており、割高感は否めません。

   レストランで食事をするときも同様で、日本の有名ラーメン店のシンガポール店で食べると、日本では700円くらいのラーメンが、1500円以上したりします。高級料理です。異国の地で、日本と同じものを手に入れるのは相応のコストがかかる。当たり前と言えば当たり前なのですが、海外生活は辛いよ…と思ってしまうこともしばしばです。

   地元のものは安くて、海外からの輸入品は高いというのは、途上国のお約束。実際、バンコクの日系スーパーでは、輸入物のUCC缶コーヒーは45バーツ(約150円)、謎のUFCコーヒーは11バーツ(約35円)です。

   が、バンコクのレストランは、この例外です。

現地のものと日本のものを組み合わせると…

   バンコクの市内にあるすき家の牛丼は85バーツ(約280円)です。幸楽苑のラーメンは99バーツ(約320円)。カレーハウスCoCo壱番屋のカツカレーは160バーツ(約500円)です。

   円安が進んでいる2013年年末ですが、それでも日本国内の価格と大差がありません。普段は1食100~300円の現地食を食べ、たまに日本のチェーン店とか行く。特別な日には、1500~3000円くらいのちょっと高級な飲み屋に行くみたいな生活をしていると、ある程度のクオリティを保ちながら、生活コストは格段に安くなるわけです。

   このように、海外で生活をする際に、日本と全く同じクオリティを求めてしまうと、日本で生活するのと同等またはそれ以上のコストがかかってしまいます。しかし、住む土地の状況を確認し、現地のものと日本のものを組み合わせることによって、非常にコストパフォーマンスが高い生活をすることも可能です。

   私は、アジア各国の都市を「住む」ことを前提にたくさん回ってきましたが、品質と物価のバランスは、バンコクが最高だと思っていますので、どこかのタイミングでバンコクに引っ越ししたいなと思っています。(森山たつを)

森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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