東大?博報堂?それが何か? そんな「アウェー」でどうサバイバルするか?

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ついたあだ名は「ピッチャー・ケン」!

   アメリカ人の同級生が近づいてきて「ここではこうやってビールを飲むんだぜ」と言って大きなピッチャーを勧めてきます。アメリカではビールがとても安くピッチャーでも数ドルなので、ビール好きにはたまらない。ピッチャーでビールを飲みながら楽しい時間を過ごしました。

   翌週、再び飲み会に行きピッチャーでビールを飲み始めると、前回いなかった同級生たちが「日本人はピッチャーでビールを飲むのか!」と驚いています。「これがアメリカ方式じゃなかったの?」と聞くと、「そんなのクレイジーな奴らだけだよ!よし、お前は今日から『ピッチャー・ケン』だ!」と返してきました。

   よし!授業やミーティングでは寡黙かも知れないが、夜になるとピッチャーでビールを飲む陽気な「ピッチャー・ケン」でまずは売っていこう!

   自信を取り戻した私は、クラス内外の飲み会で「ピッチャー・ケン」としてネットワークを広げ、勉強を助けてくれる、課外活動をともにする一生モノの仲間を見つけました。

   世界のどこにいても通用する、自分にしかない魅力は何なのか。これを発見することも、グローバルビジネスをサバイバルする秘訣のひとつなのではないでしょうか。「飲んだくれとして有名になっただけでは」と思われるかも知れませんが、想像してみてください。誰も自分の肩書きを気にしないときに、「相手に刺さる個性」があるかないかでどれだけ差が出るか。最後に、バーで自分を取り戻した私は、どこまで行っても広告マンだなあとつくづく思いました。(室健)

室 健(むろ・たけし)
1978年生まれ。東京大学工学部建築学科卒、同大学院修了。2003年博報堂入社。プランナーとして自動車、電機、ヘルスケア業界のPR、マーケティング、ブランディングの戦略立案を行う。現在は「日本企業のグローバル・マーケティングの変革」「日本のクリエイティビティの世界展開」をテーマに米ミシガン大学MBAプログラムに社費留学中(2014年5月卒業予定)。主な実績としてカンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバルPR部門シルバー、日本広告業協会懸賞論文入選など。
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