12月になり、いよいよ就職活動が本番を迎えるなか、就活戦線に少なからず影響を与えるかもしれないニュースが注目を集めている。あの「ニコニコ動画」で知られる「ドワンゴ」が、首都圏1都3県在住者限定で2015年4月入社の新卒入社試験から受験料を取ると発表したのだ。
「本気でドワンゴを志望している学生に申し込んでもらうため」としており、記念受験などを排除するのがねらい。金額は同社の動画サービス「niconico(ニコニコ)」にちなんだであろう2525円。大した額ではないとも言えるが、この動きが他の企業にまで広がると、就活学生のお財布に大きな影響が出る事が心配されている。
他の企業でもやりだしたら…
ツイッターなどを中心にネットでは、「ここだけならいいけど。これに便乗して他の企業でもやりだしたらたまったものじゃない!」「スーツ揃えたり、靴買ったりただでさえお金が掛かるのに、受験料まで取られたんじゃ財布がもたん」など就活生らの悲鳴が寄せられている。
一方、「『どこでもいいから入ればいいや』っていう学生が多すぎるから、こういう企業が出てきてもおかしくはない。100社以上のエントリーとかって節操無さ過ぎ」「人事の労力を考えると妥当だと思う」「『どうせ落とす人には最初から受けさせない』はマジで全員幸せになる仕組みでござる」と賛成する意見も多かった。
中には「宣伝費をかけずに宣伝でるよ。やったねドワンゴちゃん!」と、「受験料」報道を受け社名の露出が増えたことについて、ユニークな企業戦略だと拍手する意見も。
ところで、そもそも企業の入社試験でお金を取ることは、制度として「アリ」なのだろうか。ドワンゴ側は「金儲け」のためではなく、奨学制度の基金への寄付にするとしている。「企業法務マンサバイバル」ブログの管理人ハッシーさんによると、「採用試験の『手数料』を取ることは合法」。ただし、センシティブな問題だけに、ドワンゴへの批判が高まるようなことがあれば行政の指導が入る可能性もあると指摘している。(NF)