臨床心理士 尾崎健一の視点
評価基準を明文化して社内で共有、差をつけるならインセンティブ制度で
事例では「上司の感覚に任せた評価」で部門を超えた不公平感が蔓延しているようです。部門ごと、職種ごとに評価基準や達成基準を明文書化して、全社に公開するのはいかがでしょうか?基準について全員の納得は難しいかもしれませんが、全社員、全部門に公平に共有された基準であることが重要です。
会社の成り立ちや経営的意向から部門間に力関係が存在することがあります。例えば、製造部門の発言力が強い会社もあれば、営業部門が発言力を持つ会社もあります。評価制度は部門の力関係も理解した上で設計する必要があります。営業は「外へ出るから大変だ」「顧客対応の最前線だから重要視する」として評価に重み付けをする会社もあるでしょう。
しかし、社員の納得が得られない部門間の重み付けの制度はモチベーションを下げることになるので、基本は平等が望ましい姿と言えます。重み付けしたい場合、評価基準は公平にしておいて、インセンティブで差をつけたり社長賞などの不定期な報酬で重み付けをしたりする方法もあります。