「面接は私服でどうぞ」はワナ? 「ノーネクタイは非常識だ」と怒られた就活生

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   就職の際の面接に「私服でお越しください」と会社から告げられた。夏の暑い日にスーツを脱いでネクタイを外し、代わりに涼しい服装で行けたらどんなに快適だろうか。

   ところが、この「私服指定」が案外、曲者だ。言葉どおりに「リラックスできる格好」で行ったら面接官から「ダメ出し」を受けたという体験談もある。

ポロシャツにチノパン「だらしない、だめだ」

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「私服でどうぞ」と言われても…

   「サンケイビズ」2013年11月17日付の記事では、大手金融会社のリクルーターのこんな経験談が紹介された。学生の緊張を和らげようと、「当日は私服で気軽にお越しください」と事前にメールを送っておいた。すると当日、「学生はその言葉をうのみにしたのか、サークル帰りのジャージ姿で面談へやってきた」。いくら私服とはいえ、「ジャージ」はないだろうというわけだ。

   同紙は5月19日にも、「就活と私服」をテーマに取り上げている。アパレル業界志望の就活生が「私服着用」の指示を受けたが、無難にいこうとリクルートスーツを選んだ。ところが当日、会場に行くと9割以上が私服で、面接時には「君の私服はスーツなのか」と問い詰められたという。一方マスコミ業界志望者のケースでは、「あなたらしい服装で」との条件だったのでカジュアルな格好で行ったところ、周りはほとんどスーツ姿の学生ばかりで、不安に陥ってしまい面接で受け答えがうまくいかなかったそうだ。

   「Yahoo!知恵袋」には、面接では「リラックスできる服装」との指示を受けたのでポロシャツにチノパン、スニーカーを履いて出向いたという投稿があった。面接官から「そんなだらしない格好ではだめだ」「面接の場でノーネクタイは絶対にあり得ない」などと一喝され、「それでは私服OKと言わないのではないか」と言い返すと、「常識ってものがある」と厳しく怒られたそうだ。やり取りだけを見ると、確かに「ネクタイ着用」が前提なら最初からそう指定しないと面接者には伝わらない気がする。ただ、あまりにラフな格好だと面接官によっては失礼だと受け止めるかもしれない。「私服」と「常識」の間でお互いが振り回されたようだ。

ソニーは「本当にこだわりません」と念押し

   転職サイト「DODA」の「面接悩み相談室」には、面接で私服と言われたらどんな服装を選ぶとよいかとの質問が寄せられた。

   回答は「スーツではないものの、ジャケットを着用するなどきちんとした格好」とある。ジーンズや派手な服は「軽すぎる」とみられるそうだ。一方で、もし面接会場で周りが皆スーツを着ていたとしても、「私服で面接に臨むことで印象に残りやすく」なるメリットがある。ルール違反をしたわけでないのだから雰囲気にのまれず、堂々としていればよいだろう。

   企業側の目的は、「自由な社風を知ってもらうため」「応募者のセンスをチェックするため」だという。前者はマスコミなどクリエイティブな業種に、後者はアパレルやデザイン関係に多いそうだ。

   「私服面接」を徹底している企業のひとつが、ソニーだ。2014年新卒採用のウェブサイトを見ると、「『就活=スーツ』の固定観念を変えます」との文言が目に入る。面接で自由な服装を呼びかけると「罠だ」と見られる時代だと前置きして、

「どんな服装で参加していただいても大丈夫です」

   と強調する。スーツ姿もいれば、1年前の就活生の中にはハーフパンツで通した人もいたと説明する。

   「そうは言ってもなぁ…」と心配な向きはいるだろう。ソニーは「本当にこだわりません。大切なのは中身」と念を押す。ここまで明快に打ち出してくれれば、全社的な「統一見解」と受け止めて差し支えなさそうだ。

   一方、あえて「私服OK」としか伝えない企業は、就活生がどんな反応をするかを見ている場合もある。私服と言われてスーツを選んだ、言われた通りに普段の格好を選んだ、いずれの場合でも面接官を納得させられるような説明ができた方がよさそうだ。

面接は私服でどうぞ。何着て行きますか?
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