2013年11月8日、フィリピンに巨大な台風・ヨランダが直撃し、レイテ島を中心に非常に大きな被害をもたらしました。
私は、このレイテ島の中心都市タクロバンから200キロ弱離れた、セブ島・セブシティに在住しています。日本人も多く訪れるこのセブ島の被害状況についてお伝えします。
まず、はじめにお伝えすると、日本人が観光で訪れることが多いリゾートアイランドマクタン島や、人口87万人・フィリピン第二の都市であり英語学校などがたくさんあるセブシティは、2013年11月中旬現在、ほぼ平常に戻っています。たまに停電などは起こるものの、スーパーには物があふれ、治安悪化などもありませんので、普通に観光や留学に訪れても問題ありません。セブシティとタクロバンとは東京から長野や静岡くらい離れており、海も隔てているため、テレビで報道されている様な被災地とは全く状況は異なります。
セブシティでは、翌日には店や空港も開き、元の日常が始まっている
個人的な感覚ですが、この台風でのセブシティの被害は、東日本大震災の時の東京に近いものだったと感じています。11月8日の台風直撃の日、数時間の暴風雨が訪れ、その間は店舗が閉まったり、停電が起こったりして街は混乱しました。しかし、暴風が去った当日の夕方からは、街に人が戻りだし、停電も徐々に復旧します。翌日には店や空港も開き、元の日常が始まっています。震災当日夜から電車が動き出し、翌日からひっそりと街が動き出した東京と同じです。
セブ市民の様子も同じです。テレビでレイテ島の被害を見て悲しみ、多くの人が寄附をしたり、救援物資を調達したり、有志の人が被災地にその物資を運んだりしています。報道ではレイテ島の中心地が一番多く報道されていますが、セブ島の北部にあるバンタヤン島なども大きな被害を受けており、そこまで片道数時間かけて自分の車で物資を運んでいる人もいます。
私が住んでいるのは鉄筋コンクリートの11階にある、ホテルのスイートルームです。台風直撃時も、窓の隙間から若干の雨漏りがあったくらいで、風にはびくともしませんでした。おそらく、台風がセブ島に直撃していても(それなりの確実で)無事だっただろうと予想できます。しかし、ホテルの窓から下を見下ろすと、そこにはトタン屋根の平屋建ての家が並んでいます。その界隈を歩いて見ると、台風の前から窓が割れていたり、そもそも窓にガラスがなかったりする家がたくさんあります。このような家は、台風が直撃していたら…と思うと、レイテ島の状況は人ごとではないということが分かります。