名誉棄損や侮辱として法的責任問われる可能性
そもそも、フェイスブックに悪口を書く行為そのものが許されるのか。2012年5月1日付のPHPビジネスオンラインで、浅見隆行弁護士がこう解説している。
「ツイッターやフェイスブックなどのSNSに上司の悪口を書いた場合、名誉毀損、または侮辱として、法的な責任を問われる可能性があります」
名誉棄損、つまり「人の社会的信用、あるいは社会的な評価を低下させる発言」の場合は真偽を問わない。また、具体的事実を述べるのではない悪口の類は「侮辱」となる。その判断はケースバイケースだが、ネットで悪口を書くというのは大きなリスクが伴うものだ、と警鐘を鳴らす。相手が上司でなく部下だったとしても、同じだろう。
「フェイスブックいじめ」を訴える人は、フェイスブックをやめれば話は早いかもしれないが、非がないにもかかわらず自分がSNSでのコミュニケーションを断念するというのもおかしな話だ。ネット掲示板には「悪口書いた上司に『マジうざいんだけど』とコメントしてやれ」「倍返ししろよ」と威勢のいい「けしかけ」もあるが、部下の立場であればこういったアクションに移すのは簡単ではないだろう。法的にも、また社会人の常識に照らし合わせてもルール違反であり、許される行為ではない。