職場における交流サイト(SNS)のやり取りが、しばしば議論の対象となる。会社ウォッチでも以前、「フェイスブック」で上司がやたらと「いいね」を押してきたり自分の友人に勝手に「友達申請」したりする「ソーハラオヤジ」が話題となった。
さらに困ったケースもある。フェイスブックに職場の人の悪口を書き、社内外に「まき散らす」人物がいるというのだ。
悪口投稿を印刷して「しかるべき部署」に持ち込む
インターネットの質問投稿サイトを見ると、上司や部下といった立場に関係なく「フェイスブックに悪口を書かれた」との悩みが打ち明けられていた。
自分の部下が悪口を書き込んでいるのを聞いたと「Yahoo!知恵袋」に投稿した上司は、その部下を厳しく指導していたので「多少の不満はあるだろう」と理解しつつも、事実を目の当たりにすると「何とも言えない気持ちになりました」と告白する。素知らぬふりをしてネットには自分への悪口をぶちまける部下に対して「平常心でいられるのか」と不安げだ。複数のアドバイスが寄せられたが、「人間関係を考えるなら見て見ぬふりを」「ほっとけばいい」という意見や、会社から「人間関係を含めて内情を載せないように」という趣旨の通達を出してもらってはどうか、との提案があった。
逆のケースも見つかった。上司が、部下である自分やほかの同僚の悪口をフェイスブックに書いたことを「許せない」と憤る相談者は、「信用も何もない」とバッサリだ。悪口と思われる部分を印刷するかメールに添付して、社内のしかるべき部署や窓口に話を持ち込むと「徹底抗戦」の構えを見せる。
「ITメディア」2013年11月11日付の記事では、部下や後輩の失敗をフェイスブックでさらす上司、先輩に頭を悩ます女性社員の話が紹介された。
後輩が作成した資料に誤字があった、締め切りを無視して合コンに出かけて信じられない、といった「失敗談」を暴露する。そこに「いいね」が何個も付き、「大変ですね」「ウチの部下も」といった妙な共感が寄せられる。投稿した上司は「笑い話」のつもりかもしれないが、女性社員は自分がやり玉に挙げられたときには嘲笑された気がしてたまらなかった――このような内容だ。しかも上司のフェイスブックは「公開』となっているので、取引先をはじめ外部からも自由に閲覧できる。広く「恥」をさらされているような気がして、いじめにすら感じるそうだ。