グローバル化でも「日本から消えない仕事」教えます

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「ぜったいになくならない仕事を教えてください」

と聞かれたことがあります。グローバル化で、多くの仕事が海外にうばわれています。

   工場を中心に、別に日本人が国内でやらなくてもできるような仕事は、人件費の安いところにむかって移転していってしまっています。工場の閉鎖で国内の仕事が減ってしまう。農業もそうですね、安いコメが入ってきたら、日本の農家は壊滅してしまうと多くの人が恐れています。

「ラストワンマイルジョブ」とは

「地方で看護師」という選択も
「地方で看護師」という選択も

   グローバル化のせいで、自分の仕事がなくなってしまうかもしれない。グローバル化を恐れるひとは、まずこれに恐れているはずです。世界的な競争にまきこまれて、中国やインドの人たちと競争などしたくないのです。

   だから「グローバル化でなくならない仕事は何ですか?競争に巻き込まれない仕事は何ですか?」と聞かれます。

   これは、実は答えははっきりしています。

   「ラストワンマイルジョブ」といっていますが、要するに、その場所(日本)にいないと成り立たない仕事です。

   ラストワンマイルというのは、電線の例えです。基幹の電線は大きな会社が太いものを一括で施設できます。ですが、自分の家に電気をひこうと思ったら、そこから何万とある家に、配線しないといけないのです。この最後の配線の部分を、ラストワンマイルといっていました。

   これを仕事に例えたのがラストワンマイルジョブです。

   つまり、サービスを受ける人のそばにいて、直接仕事をしないといけないような仕事。これは絶対になくなりません。

   直接患者の診察したり手術をする医者、歯科医、看護師、介護師といった医療関係者、それからマッサージ師、美容師といった職業は、海外に移転することはありません。建設労働者や、配管工、電気工事もなくなりません。

   とはいっても、これらの中で定形化された仕事は外国のひとでもできてしまう。日本人である必要はありません。コンビニの店員は対面で仕事をする必要があってすぐにはなくなりませんが、いまでは中国人店員を本当に多く見かけます。

   ですからもうひとつ条件があって、それは「日本人の気持ちや習慣をよく知っていて、『ならでは』の対応ができる」という条件がつきます。たとえば、高級な旅館のおもてなしや、ベテランのバーテンダー、こういう人が、外国人にはできないサービスを提供すれば、仕事は奪えません。

大石哲之(おおいし・てつゆき)
作家、コンサルタント。1975年東京生まれ、慶応大学卒業後、アクセンチュアを経てネットベンチャーの創業後、現職。株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役、日本デジタルマネー協会理事、ほか複数の事業に関わる。作家として「コンサル一年目に学ぶこと」「ノマド化する時代」など、著書多数。ビジネス基礎分野のほか、グローバル化と個人の関係や、デジタルマネーと社会改革などの分野で論説を書いている。ベトナム在住。ブログ「大石哲之のノマド研究所」。ツイッター @tyk97
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