「為末努力論が炎上」に思う 「21世紀の日本」に合った努力と才能の組みあわせ方

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大切なのは、探す、知る、あがくこと

   では、日本に生まれた我々は不幸なのでしょうか?私は、必ずしもそうとは思いません。

   インドネシアのジャカルタに生まれて、大学を出ることができた様な人たちはこの好景気を満喫していますが、ジャカルタからちょっと離れたところにある地方の街などに行けば、最終学歴小学校卒などという人たちがたくさんいます。この人たちは、工場の工員として働くのも難しく、村で農業をするといった選択肢しかなく、その仕事は努力しても収入はさほど増えず、しかし、周りの物価は上がっていきます。

   それと比べると、大半の日本人には多くの選択肢があります。日本国内はいろいろ難しいかもしれませんが、国内で好況の東南アジアの人たちからお金をもらうような仕事に就くこともできますし、自ら東南アジアに行って仕事を見つけることも可能です。

   なにもしないでいると、段々沈んでいく下りエスカレーターですが、そのエスカレーターを乗り換える自由はあるのです。

   私は、「努力をすれば何でもできる」という考えも、「才能がなければ努力しても無駄だからふてくされて何もしない」という考え方も好きではありません。せっかく多くの選択肢がある国に生まれたのですから、自分の才能と努力を組み合わせて、手の届く範囲でいろんな事をしてみて、自分なりの幸せを掴むことを目指すべきだと思います。大切なのは、探す、知る、あがくこと。

   本コラムや著書で、海外就職を含む様々な働き方という選択肢を提示しているもそういう理由です。(森山たつを)

為末「努力すれば成功する、は間違っている」論に賛成?
賛成。その通り
反対。それでは身も蓋もない
「スポーツの世界」限定で賛成
どちらとも言えない
その他
森山たつを
海外就職研究家。米系IT企業に7年、日系大手製造業に2年勤務後、ビジネスクラスで1年間世界一周の旅に出る。帰国して日系IT企業で2年勤務後、アジア7か国で就職活動をした経験から「アジア海外就職」を多くの人と伝えている。著書に「アジア転職読本」(翔泳社)「はじめてのアジア海外就職」(さんこう社)がある。また、電子書籍「ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行」を連続刊行中。ツイッター @mota2008Google+、ブログ「もりぞお海外研究所
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