就業者に占める雇用者の割合は9割近く
そういう意味で、私がキャリア権推進ネットワークの活動の先頭に立たせていただくことで、『キャリア』というカタカナ語に関心を持ち振り向いてもらうきっかけになれば嬉しいですね」
NPO法人キャリア権推進ネットワークでは、『キャリア権』の定義について、『働く人が、その人生(ライフキャリア)に大きな位置を占める職業生活(職業キャリア)を通じて自己実現し、幸福を追求する権利』と明記している。
「大学院で学んで初めて知ったことですが、個人の職業生活設計であるキャリアデザインやキャリアプランニングが尊重されなければならないということは、職業能力開発促進法や男女雇用機会均等法などでも定められていることです。『職業生活設計に配慮する』とか『充実した職業生活を営む』という表現になっています。
人生の中で、職業生活はとても大切な位置付けにあることに改めて気づきました。そして、今や就業者に占める雇用者の割合は9割近くになっています。
私は16歳から働いていますので、もしも、65歳定年の企業に勤めていたらなんと49年間、つまり半世紀も働くことになります。一方で、企業の寿命は20年とも30年ともいわれています。企業の寿命よりも働く人の勤続年数がずっと長い時代になっており、終身雇用もすでに現実的ではなくなっていると思います。個人の職業キャリアを一つの企業で支援できる時代ではなくなっています。
そのためには、企業や学校や国など社会全体で個人の職業キャリアを応援していきたいものです。(略)