所定労働時間の条件定めた就業規則作成の動きも
ブラック企業アナリストの新田龍氏は、会社ウォッチ2013年10月13日付の記事で「飲食業は、私が就活生だった15年前からずっとブラック業界の代名詞的存在であり続けている」と指摘した。競争が激しい業態という現実が低賃金、長時間労働につながっている、というわけだ。一方で、積極的に改善に動き出している企業も少なくないとしている。
8月9日付の産経新聞では、飲食業界で働きやすい環境整備に向けた取り組みが広がっていると紹介した。飲食業界専門の人材紹介サービス「クックビズ」が7月に開催したセミナーでは、飲食店経営の企業の人事・労務担当者らに賃金や所定労働時間の条件を定めた就業規則の作成を勧めたという。「雇用契約や割り増し賃金(残業代)の規定が未整備な場合が多く、人材の定着率が低い一因となってきた」からだ。
地道な取り組みで、なにかと「ブラック扱い」されがちな状況から脱却できる日はくるだろうか。