「社長に温かみを感じない」
A社の話とはとはまったく関係のないB社社長から、ある時「社員が前向きじゃない、個人主義、会社批判が多い、離職率が高い」との相談がありました。彼は創業家の二代目ですがワンマンな亡き先代を見て育ったせいか、彼もまたA社社長に勝るとも劣らないワンマンで恐怖政治に近いものを感じさせるマネジメント・スタイルでした。このケースでもA社同様、全社員への匿名アンケート調査をおこないました。すると、こちらでは社長への不平不満が一気に噴き出したのです。
「社長に温かみを感じない。創業家が資産を持ち逃げしていつ会社がなくなるか不安」
「社長が信用ならないから、利用されているだけなら自分も会社を利用するだけ」
「一生勤める会社じゃない。社員を道具と考えているのではないかと感じることがある」
社長にこれらの書かれた内容をそれとなく伝えると、「言われることに全く思い当たるフシがない。ただ業績が今一つなので、目標管理の徹底と人事考課に厳正化をすすめた。その不満じゃないのか」との見解でした。原因はそれだけじゃないはずだと思い、様々な角度から分析を加えていったのですが、その過程で突然コンサルティングを中止して欲しいと申し出られました。その時に社長が話した内容から、事の全容に合点がいったのです。