プノンペンでは、今、超巨大イオンモールが絶賛建築中です。
2014年開業予定のこのモールは、世界の色んな都市にある、最新型の巨大イオンモールです。2013年10月に開店予定地を見てきましたが、広大な土地に、着々と建物が建築されていました。
このイオンモール、ジャカルタやバンコクや日本の地方都市にできる分にはたいした驚きはないのですが、プノンペンにできるとなると大きな衝撃が走ります。
もはや「援助する国」ではなく「ビジネスをするフィールド」
多くの日本人にとって、カンボジアと言うと、ポルポト虐殺、キリングフィールド、地雷などを思い浮かべる国かもしれません。また、なぜか日本の大企業の経営者や芸能人が、貧しい子供たちのために学校を建築することも多いです。
実際に現地に来てみると、少なくとも都市部は順調に発展しており、地雷とかの危険はないことはもちろん、着々と新しいお店ができています。ビジネスパーソンにとってのカンボジアはもはや「援助する国」ではなく「ビジネスをするフィールド」になっているのです。実際、2013年に入り数十件もの日本食レストランができています。
そんな、プノンペンの一番イケてるショッピングモールは、日本で言うところのアメ横センタービル。サムソンの携帯電話を売るブースは21世紀感を出していますが、洋服売り場などは、Tシャツが雑多に積み上げてあるような昭和の洋服屋のようです。
最上階にある、国一番のデートスポットは、ローラースケートパーク(たぶん、バンコクやジャカルタならここにはアイススケートリンクがあります)。
地元の若者たちが、楽しそうにインラインスケートを楽しみ、リンクの外ではiPad 1時間レンタルとコカコーラがセットで1ドル(100円)で提供されています。
現地の若者が、先進国の文化に触れる
こんな昭和の香りに一部21世紀がトッピングされているような街に、いきなりワールドクラスのイオンモールが出現するわけです。言うなれば、みんながスーパーファミコンで遊んでいるところに、いきなりプレステ3が登場!みたいな状況です。
一食2、300円の小さなレストランが主流のこの国で、ピカピカのショッピングモールにはどんな店が出店するのでしょうか?タクシーがなかなか見つからずトゥクトゥクや原チャリばかりが走るこの街に、ピカピカのモールはいったいどれくらい浮いた存在になるのか?
実際問題、バンコクやジャカルタ、マニラの街も、一般庶民が行くような店舗やレストラン(屋台)は皆さんが想像するようなアジアのお店です。しかし、そこに、最新鋭のショッピングモールがあるので、先進国の人間が暮らす際に不自由がなくなります。また、現地の若者が(買う買わないはともかく)その中を歩き回る事で、先進国の文化に触れて、洗練されていくのです。
私は今、フィリピンのセブに住んでいますが、道ばたのレストランとモールの中では、物価も、歩いている人たちも、売っているものの質も違います。これがあるからこそ、私が快適に生活できますし、こういう所から垢抜けたフィリピン人の若者が生まれてきているのです。
こういう5段飛ばしの発展がおこるのが、新興国の面白いところであり、ビジネスチャンスでもあります。イオンモールがプノンペンにどんな影響をもたらすのか。今から楽しみでなりません。(森山たつを)