現地の若者が、先進国の文化に触れる
こんな昭和の香りに一部21世紀がトッピングされているような街に、いきなりワールドクラスのイオンモールが出現するわけです。言うなれば、みんながスーパーファミコンで遊んでいるところに、いきなりプレステ3が登場!みたいな状況です。
一食2、300円の小さなレストランが主流のこの国で、ピカピカのショッピングモールにはどんな店が出店するのでしょうか?タクシーがなかなか見つからずトゥクトゥクや原チャリばかりが走るこの街に、ピカピカのモールはいったいどれくらい浮いた存在になるのか?
実際問題、バンコクやジャカルタ、マニラの街も、一般庶民が行くような店舗やレストラン(屋台)は皆さんが想像するようなアジアのお店です。しかし、そこに、最新鋭のショッピングモールがあるので、先進国の人間が暮らす際に不自由がなくなります。また、現地の若者が(買う買わないはともかく)その中を歩き回る事で、先進国の文化に触れて、洗練されていくのです。
私は今、フィリピンのセブに住んでいますが、道ばたのレストランとモールの中では、物価も、歩いている人たちも、売っているものの質も違います。これがあるからこそ、私が快適に生活できますし、こういう所から垢抜けたフィリピン人の若者が生まれてきているのです。
こういう5段飛ばしの発展がおこるのが、新興国の面白いところであり、ビジネスチャンスでもあります。イオンモールがプノンペンにどんな影響をもたらすのか。今から楽しみでなりません。(森山たつを)