電話での会話内容から「こんな仕事しているのか」
広いフロアに社員は約200人。「壮大」な光景にカルビーを訪問した人からはしばしば「すごい」と驚きの声が上がるという。「自由席」のため、隣の席にどの部署の誰が来るかは顔を合わせるまで分からない。取材に応じた広報担当者も、「外部からの連絡に対応するために1席だけ固定席がありますが、そこに座る担当者も日替わり。基本的に私も毎日違う人が隣に座っています」と明かす。
隣に座るだけで、その人がどんな仕事を受け持っているのかがよくわかるそうだ。「電話での会話内容から『こんなことをしているのか』と気付くことがあります」。さらに直接会話を交わせば、相互理解はより深まる。
規模が大きい企業では、フロアごとに部署が分かれるケースは少なくない。ともすれば「たて割り」となり、別部署に協力を求める際は「お願い」しないと受けてもらえなかったり、時にはいがみ合ったりといった話も聞く。会社としてひとつのゴールを共有しているはずなのに、部署ごとに自分たちだけの利益を守ろうとしているようでは問題だ。
個々の社員同士で理解が進めば、どの部署がどんな業務を担っているかが明らかになり、社内で協力態勢が取りやすくなると、カルビーの担当者はメリットを口にした。同時に「各自の机の周りがきれいになった」のも改善点だという。明日はどこに座るか分からないので、必ず片付けてから退勤するのが約束となっているためだ。常にオフィス全体が整理整頓されていれば、毎日スッキリと仕事に臨めるだろう。