現在、日本で銀行に定期預金すると、金利は年利0.1-0.3%程度です。100万円預けて1000-3000円増える程度。もう、お金が増えるって感覚はありませんね。しかし、新興国では2桁違いの金利がつくこともあります。今回は、日本人でも簡単に口座が作れるカンボジアの銀行について紹介します。
カンボジアの通貨は「リエル」なのですが、市内で出回っているお金のほとんどがUSドルです。1ドル=4000リエルはほぼ固定されており、街中の物の値段はほとんどドルで書いてあります。
1.75ドルのモノを買って2ドル札を出すと、1000リエルのおつりが返って来るといった感じで、リエルはセントみたいな扱いです。
短期観光の日本人でも口座開設できる
銀行に預けるときのお金もUSドルで(リエル預金もできます)、途上国ならではの高金利がつきます。
現在、1年定期で6.2% 、10年定期で8%以上つくのです。
最近、SBIが出資しているプノンペン商業銀行の広告が、日本語フリーペーパーに載ってました。どうやら日本人の担当者もいるようです。(しかも、2人も!)
プノンペン市内にあるプノンペン商業銀行に行ってみると、この日本人担当者が出迎えてくれます。口座開設に必要なものは、パスポートと最低預金額の100USドルのみ。短期観光の日本人でもつくれちゃいます。
担当者に言われるがままに書類を書いて、待つこと15分。普通預金口座の通帳と、定期預金の証書が手渡されます。私は、香港、中国でも口座を作ったことがありますが、ここカンボジアが最もスムーズでした。
ちなみに、ATMからお金を引き出すためのカードはその場では作ることができないので、1週間後以降にもう一度取りに行くことになります。(私は数か月後に取りに行く予定です)
非居住者の場合は税金がかかる
実際に預けてみると、弱点もいくつかあります。
金利は6.2%ですが、非居住者の場合は税金がかかりますので、実際は約5.3%になります。また、海外→プノンペン商業銀行に送金することはできるのですが、プノンペン商業銀行→海外に送金は2013年現在できないそうで、お金を引き出すのにはカンボジアに来る必要があります。預金のためだけにカンボジアに来るのはコストパフォーマンスが悪いかもしれません。(※2013/10/28 追記::プノンペン商業銀行からの海外送金ですが、オンラインバンクなどを使って海外から送金をすることはできませんが、窓口から海外送金を行う事は問題なく行えます)
また、預金保護制度などもありませんので、銀行が潰れたら、はいそれまでよ、です。
とはいえ、1万ドル(約100万円)預けると、金利で年に約5.3万円が増えます。
このままの金利で複利計算していくと、14年後には倍になります。上記の弱点と、この金額を見比べて、メリットがある!と思った人は、是非チャレンジしてみてください。詳しくは、筆者のブログ「もりぞお海外研究所」でも紹介しています。
しかし、こうやって高金利で外貨を取り込もうとしている現地の銀行があり、さらにそこに出資している日本企業があるというのは実に面白いです。
カンボジアにはこの銀行以外にも日本企業が出資している銀行や、ジャパンデスクを置いている銀行があります。また、カンボジア以上の高金利がつく国もありますので、興味のある方は是非調べてみてください。(森山たつを)