臨床心理士・尾崎健一の視点
リハビリ出勤は「復職の成功率が高い」という調査結果も
厚生労働省では休職後に、段階的な出社で復職の支援をする「試し出勤制度」の導入を推奨しています。これが「リハビリ出勤」と呼ばれるもので、勤務時間帯を会社で過ごす「模擬出社」や、通勤時間とその負担に慣れる「通勤訓練」、試験的に軽減した業務を行う「試し出勤」が挙げられています(「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」より)。
メンタルヘルス休職からの復職の可否判断は難しく、再発率が高いため、可否判断の見極めや復職直後の負担を調整しやすくするリハビリ出勤を行う企業が多くなっています。リハビリ出勤制度がある企業は「復職の成功率が高い」という調査データがあり、一定の効果があると言えます。一方、これらを社内で行うことは会社としての負担もあるため、最近では外部のリワーク機関を活用して、リハビリ出勤と同等のことを行ってから復職するケースが成果をあげている会社もあります。この場合の費用は会社が負担するか否かは、会社ごとに違いがあるようです。