甘い言葉で「使い捨て要員」を誘い込まない
これだけワーク・ライフ・バランスが実現できるように制度を整えているはなまるだが、新卒学生向けの会社説明会では、
「この会社には入らないほうがいいですよ」
という言葉から始めることにしているそうだ。決して甘い言葉で、使い捨て要員を誘い込もうとはしない。飲食業界の仕事の厳しさと、同社独自のチャレンジを要求する厳しさを伝え、軽い気持ちやミスマッチで入社しないようにしている。
この姿勢こそ、「こんなはずじゃなかった…」という不本意な人を出さないために大事なことである。往々にして、そんな甘い意識を持った者が「あの会社はブラックだった」と噂を流すのだから。
もちろん、これらの特徴は他の業界から見れば、本来的には至極できて当たり前レベルかもしれない。しかし、飲食業界でもこれだけのことができるのだから、他の業界でも工夫すれば働き方のスタイルを変えていくことは可能なはずだ。
社員を大切にする会社なら、社員側も会社を大切にする。その気持ちや情報はすぐさま拡散し、「じゃあ、これから飲み会は天狗だな!」「久々にはなまる行ってみるか…」などという人を増やしていくのではないだろうか。(新田龍)