甘い言葉で「使い捨て要員」を誘い込まない 飲食業界にも優良企業はある

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甘い言葉で「使い捨て要員」を誘い込まない

   これだけワーク・ライフ・バランスが実現できるように制度を整えているはなまるだが、新卒学生向けの会社説明会では、

「この会社には入らないほうがいいですよ」

という言葉から始めることにしているそうだ。決して甘い言葉で、使い捨て要員を誘い込もうとはしない。飲食業界の仕事の厳しさと、同社独自のチャレンジを要求する厳しさを伝え、軽い気持ちやミスマッチで入社しないようにしている。

   この姿勢こそ、「こんなはずじゃなかった…」という不本意な人を出さないために大事なことである。往々にして、そんな甘い意識を持った者が「あの会社はブラックだった」と噂を流すのだから。

   もちろん、これらの特徴は他の業界から見れば、本来的には至極できて当たり前レベルかもしれない。しかし、飲食業界でもこれだけのことができるのだから、他の業界でも工夫すれば働き方のスタイルを変えていくことは可能なはずだ。

   社員を大切にする会社なら、社員側も会社を大切にする。その気持ちや情報はすぐさま拡散し、「じゃあ、これから飲み会は天狗だな!」「久々にはなまる行ってみるか…」などという人を増やしていくのではないだろうか。(新田龍)

新田 龍(にった・りょう)
ブラック企業アナリスト。早稲田大学卒業後、ブラック企業ランキングワースト企業で事業企画、営業管理、人事採用を歴任。現在はコンサルティング会社を経営。大企業のブラックな実態を告発し、メディアで労働・就職問題を語る。その他、高校や大学でキャリア教育の教鞭を執り、企業や官公庁における講演、研修、人材育成を通して、地道に働くひとが報われる社会を創っているところ。「人生を無駄にしない会社の選び方」(日本実業出版社)など著書多数。ブログ「ドラゴンの抽斗」。ツイッター@nittaryo
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